女郎花の意味
女郎花とは、オミナエシ科の多年草。日当たりの良い山野に自生。多数の黄色の小花を傘状につける。秋の七草のひとつ。
女郎花の語源・由来
オミナエシの「オミナ(女郎)」は、美しい女性の意味で、『万葉集』では「女郎」のほか、オミナに「佳人」「美人」「娘子」「娘」「姫」などの字が使われている。
オミナエシの「エシ」には、動詞「ヘス(圧す)」の連用形とする説と、推量の「ベシ」とする説がある。
「ヘス」の連用形とすれば「美女をも圧倒する美しい花」の意味、推量の「ベシ」とすれば「女らしい花」の意味となる。
女郎花の歴史的仮名遣いは「ヲミナヘシ」で、鎌倉時代頃から「ヲミナベシ」が見られるようになるため、「ヘス」の説が妥当である。
ただし、「ヘシ」と書いて発音は「ベシ」だったとの見方もあり、それが正しかった場合は推量「ベシ」の説も考えられる。
その他、女郎花の語源には「女飯」に由来する俗説もある。
それは、白いもち米の飯を男性が食べていたことから「男飯(おとこめし)」、黄色い粟飯を女性が食べていたことから「女飯(おみなめし)」と呼んでおり、黄色い粟飯と女郎花の花が似ていることから、この植物を「オミナメシ」と呼ぶようになり、変化して「オミナエシ」になったというもの。
しかし、「ヲミナメシ(オミナメシ)」が見られるようになるのは室町時代からである。
女郎花の語源が「女飯」とすれば、奈良時代に「ヲミナヘシ」、鎌倉時代に「ヲミナベシ」と呼ばれていた植物名が一度消滅し、室町時代に全く新しい形で「ヲミナメシ(オミナメシ)」という名前が誕生したことになるため、この説を考慮する必要はない。
女郎花の別名・類語
オミナメシ/ジョロウカ/粟花/思い草/敗醤