ワレモコウの意味
ワレモコウとは、バラ科の多年草。山野に生え、秋に分枝した茎の先に赤紫色の花穂をつける。
ワレモコウの語源・由来
ワレモコウは『源氏物語』や『徒然草』にも見える古い名で、語源は諸説あるが、その中でも有名な説は以下の3つである。
1.キク科のモッコウ(木香)に似た香りがすることから、日本の木香の意味で「和の木香」や「吾(われ)木香」に由来する説。
2.神が赤い花を集めていた時、この花が自ら「吾もまた紅なり」と申し出たという説。
3.宮殿や神殿の御簾に描かれる模様の「帽額(もこう)」、もしくは、帽額に描かれる家紋の「木瓜紋(もっこうもん)」を割ったように見えることから。
葉茎に香気はあるが、それほど強い香りとは言えず、ワレモコウは外見の方が特徴的なので、1の説は「吾木香」の漢字が当てられた由来と考えるのが妥当である。
「吾亦紅」と表記するのは近世以降のことなので、2の説は漢字の「吾亦紅」を基に作られた俗説である。
なお、吾木香や吾木香のほか、ワレモコウには吾妹紅、我妹紅、我毛紅、我毛香など多くの漢字表記がある。
ワレモコウの語源は特徴的な花穂から3の説が有力と考えられるが、帽額・木瓜紋には様々な種類があり、どの模様を割ったら花穂に似て見えるのか定かではない。
織田信長の木瓜紋を由来とする説もあるが、平安時代から見られるワレモコウの名が、織田木瓜に由来するというのは理解できない。
3から派生した説では、木瓜紋の中に「割り木瓜(わりもっこう)」の家紋があるため、帽額・木瓜紋を割ったと考えるのではなく、「割り木瓜」が転じて「ワレモコウ」になったとする説もある。
ワレモコウの別名
地楡/サングイソルバ/蜻蛉花/坊主花/団子花/鋸草/胡瓜草/馬西瓜/西瓜草
ワレモコウの種類
ナガボノワレモコウ/ナガバノアカワレモコウ/ナガバノシロワレモコウ/サラダバーネット/オランダワレモコウ/シロバナトウウチソウ/カライトソウ/ミヤマワレモコウ/ナンブトウウチソウ/タカネトウウチソウ/ケトウウチソウ/リシリトウウチソウ/チシマワレモコウ/コバナノワレモコウ/ヒメワレモコウ/ヤクシマワレモコウ