陽炎の意味
陽炎とは、春や夏の晴れた日に、地面が熱せられて空気密度が不均一になり、通過する光が不規則に屈折して、ゆらゆらと揺れて見える現象。「かぎろい」「ようえん」とも読む。
陽炎の語源・由来
『万葉集』の「今さらに雪降らめやもかぎろひの燃ゆる春へとなりにしものを」の例があるように、昔は、かげろうを「かぎろひ」と言った。
同じ『万葉集』の柿本人麻呂の歌には、「東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」とあり、ここでは「明け方の東の空にさしはじめる光(太陽)」を意味している。
「かぎろひ」の「かぎ」は、「きらきら光って揺れる」「ちらつく」を意味する「かがよう」の「かが」と同源で、「かげ(影)」や「ほのかに光を出す」意味の「かぎる」も同源と考えられている。
「かぎろひ」の「ひ」は「火」で、かげろうは揺れて光る炎に見立てた語と考えられる。
陽炎の別名・類語
かぎろい/ようえん/遊糸/糸遊/野馬/摩利支天/シュリーレン現象/蜃気楼/逃げ水/地鏡