意味
秋茄子は嫁に食わすなとは、憎らしい嫁に美味しい茄子を食べさせるのは、もったいないという意味。秋茄子は体を冷やすから、大事な嫁に食べさせるなという意味。秋茄子は種が少ないので、子種ができなくなるから食べさせるなという意味などある。「なす」は東日本の言い方で、西日本では「秋なすび嫁に食わすな」とも言う。
語源・由来
秋茄子は嫁に食わすなの語源は、意味にも書いてある通り、三種類の説がある。
一般的には「憎らしい嫁にはもったいない」という意味で使われ、同趣旨のことわざに「秋かます嫁に食わすな」「秋鯖(あきさば)嫁に食わすな」「五月蕨(ごがつわらび)は嫁に食わすな」があり、いずれも嫁いびりの句であることから、封建的な家族制度の中で生まれた言葉のようである。
「体を冷やすから」や「子種を心配して」というのは、嫁に対する姑の言い訳から生まれたのかもしれない。
鎌倉時代の和歌集『夫木和歌抄』には、「秋なすび わささの粕につきまぜて よめにはくれじ 棚におくとも」とあり、これが秋茄子は嫁に食わすなの語源ともいわれているが、「秋鯖」などの例もあることから説得力に欠ける。
また、「わささ」とは「若酒」と書き「新酒」のことで、「よめ」は「夜目」と書き「ネズミ」を表し、「酒粕に漬けた秋茄子を美味しくなるまで棚に置いておくのは良いが、ネズミに食べられないように注意しろ」という意味で、本来は「秋茄子はネズミに食わすな」であったともいわれる。
しかし、この和歌が語源であったとしても、「夜目」は隠語であったことや、ネズミを「嫁が君」と言うのは、一般的に正月三が日のみ使う忌み詞で、秋には使われていないことから、この和歌に出てくる「よめ」については「ネズミ」を表している可能性があるというだけである。
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