印鑑/いんかん

意味

印鑑とは、はんこ。印判。印(いん)。判。また、印の真偽を鑑定するため、あらかじめ市区町村長や銀行、その他取引先などに提出しておく印影。

語源・由来

印鑑は和製漢語で、「印」は「はんこ」「印判」、「鑑」は「鏡」のことだが、ここでは「手本」や「見本」を意味する。
江戸時代、庶民の間にも印章が普及し、照合のために関所や番所に届けておく特定の印影の見本を「印鑑(いんかん・いんかがみ)」と言い、「判鑑(はんかがみ)」とも呼ばれていた。
現代でいえば、印鑑証明用に役所へ登録した実印の印影や、銀行に登録した銀行印の印影のことである。

本来の意味のままであれば、印判を「印鑑」と呼ぶのは間違いだが、印そのものも「印鑑」と呼ぶように変化していき、はんこと同じ意味で使うことの方が多くなっている。
その意味では、川端康成の『田舎芝居』(1935年)に「竹三郎は里子の母しなの印鑑を盗用して」とあるのが古い。

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