薬指の意味
薬指とは、中指と小指の間の指。紅差し指。名無し指。薬師指。
薬指の語源・由来
薬指を古くは「ナナシノユビ」「ナナシノオユビ」「ナナシノオヨビ」と言い、中世頃から「クスシノユビ」「クスシユビ」、江戸時代から「クスリユビ」「ベニサシユビ」と呼ばれ、明治後半以降、「薬指」が一般的な呼称となった。
「ナナシノユビ」「ナナシノオユビ」「ナナシノオヨビ」の「ナナシ(名無し)」は、中国で薬指のことを「無名指」と呼んでいたことから、その訳語と考えられ、「オユビ」「オヨビ」は「指」をいう古語である。
「クスシノユビ」「クスシユビ」の「クスシ(薬師)」は「薬師如来」のことで、薬師如来が印を結ぶ際に使う指だからという説がある。
「ベニサシユビ(紅差し指)」は紅をさすのに使う指の意味で、「クスリユビ(薬指)」は薬をつけたり、薬を水に溶かしたりするのに用いる指からと考えられている。
「薬師指」から「薬指」への変化は、上記の役割からと考えられているが、それ以前に「薬師(やくし)」を「くすし」と呼んでいる点に疑問が残る。
「薬師」を「くすし」といった場合、「医師」や「薬師(くすりし)」を表し、その語源は「くすりし」の略や、治療する意味の「くすす」からと考えられている。
そのため、「薬師指」と呼ばれていた時点で、薬を水に溶かしてつけるのに用いる指という意味があったとも考えられる。