帝王切開/ていおうせっかい

意味

帝王切開とは、妊婦の腹壁・子宮壁を切開し、胎児を取り出す手術法。自然分娩が困難な場合や、母児の生命に危険がある場合などに行われる。

語源・由来

帝王切開は、ドイツ語で「帝王切開(切開切除)」を意味する「Kaiserschnitt」を日本語に訳した際、この語を切り分けて「Kaiser」を「皇帝」、「Schnitt」を「切開」などと間違って訳してしまったため生まれた語である。
しかし、帝王切開の語源には俗説が多く、一般の国語辞典でも誤った説(語源俗解1・2)を載せていることから、それらが定説となってしまっている。
以下、語源俗解の一部である。

1.「帝王切開(切開切除)」を意味するラテン語「sectio caesarea」をドイツ語に訳す際、「caesarea」を古代ローマの将軍「ガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)」と間違えてしまったとする説。
「Kaiser」はカエサルの名前から「皇帝」を意味するようになった語だが、カエサルの名前の「Caesar」の部分は「分家」を意味し、元は「切る」「分ける」といった意味から派生した語で、「Kaiser」も同様に「切る」といった意味があることから間違いである。

2.ガイウス・ユリウス・カエサルが、この方法で産まれたことからとする説。
古代ローマの帝王切開は、妊婦末期に妊婦が死亡した際、胎児を助ける目的で行われたものだが、カエサルの母はカエサルが40歳を過ぎるまで生きているため間違い。

3.中国では占星術によって皇帝の誕生日が決められており、誕生日を守るために帝王切開で出産していたからという説。
「帝王切開」の語は、中国語経由でないことが明確なので間違い。

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