ハコベの意味
ハコベとは、ナデシコ科の越年草。畑や山野、道端などに自生する。春、白色の小さな五弁花をつける。春の七草の一。食用とするほか、鳥の餌、利尿剤にする。はこべら。あさしらげ。
ハコベの語源・由来
ハコベは、「ハクベラ」が転じた「ハコベラ」が更に転じた語で、春の七草のひとつとしてあげる際には「ハコベラ」と呼ぶことが多い。
ハクベラ(ハコベ)の語源は諸説あり、「葉配り(はくばり)」の転とする説。
「ハク」は「帛(はく)」で茎から出る白い糸を「帛(絹)」に見立てたもの、「ベラ」は群がる意味の古語とする説。
「ハク」は漢字「繁」の漢音「ハン」で草が茂ること、「ベラ」は漢字「婁(ル)」で茎が長く連なった草のことで、漢語「ハンル(繁婁)」の音変化とする説。
「ハク」は二股に分かれた茎に小さな葉が付き、小さな飾り袴を腰に穿いているようであるところから「穿く・佩く(はく)」の意味、「ベラ」は股の外側に付いた葉っぱを指したもので「花弁(はなびら)」や「草片(くさびら)」の「びら」と同源とする説がある。
漢音「ハンル(繁婁)」の説は、ハコベの漢字「繁縷」にも通じ、意味も解りやすく発音も近いように思えるが、「ハクベラ」への音変化は難しい。
「ベラ」は「花びら」などの「びら」と同源とするのが一番自然と思われるが、「ハク」については断定が難しい。